廃品回収で整理した蔵の中から出てきた骨董品ネタ第5号です。これが最終回かな。
だいたい使い方は判ると思いますが手前の四角い口から薪を入れて火でご飯を炊く釜です。右側のフタみたいなものの下にあるL字の棒は火をかき回すのに使っていたものです。これを大正釜と呼んでいたのですがネットで検索しても出てこないので方言か我が家だけで使っていた呼び方かもしれません。
おそらく昭和30年代くらいまでは使っていたと思うのですが私はこれでご飯を炊いていたという記憶はありません。しかし同じようなものがもう一つ残っておりこれを使って年末にはもち米を蒸かし臼と杵で餅つきをするのが我が家の一年を締める一大イベントでした。
私が中国へ赴任する前の2003年の年末までは父母もまだ元気で私も手伝ったり子供たちも喜んで、これが最後になるだろうなと餅つきをする子供たちをビデオで撮って残しました。
火を炊くのも結構楽しいし、もち米が蒸されて立ち上ってくる湯気のいい香り、なんといっても杵でしっかりとついた餅は伸び方が違って格別の味でした。特につきたてのまだ熱くて柔らかい餅を臼の中から少し取り出してきな粉や餡子をつけて食べると他では絶対味わえない美味しさでした。特に好きだったのが辛い大根をおろして大根おろしをつけて食べると甘いきな粉や餡子を食べた後にはまた違った美味しさがありました。
もう一度あの味を味わいたいと思いますが、さすがに臼や杵もどこにあるのか、使えるかどうかわからないし年末の寒い中、外で手のかかることをやる気力はないと思います。もし孫ができて大きくなったら再チャレンジしてみたいと思います。それまで生きてるかな・・・