春は色々な山菜が楽しめますが、私は何といってもタラの芽が一番だと思います。ほろ苦い味と香りが春の到来を感じさせ、毎年この時期にはタラの芽の天ぷらをつまみにビールで一杯やるのが楽しみです。
7年前のゴールデンウイーク、母にタラの芽を取ってくるから夕飯は天ぷらにしてくれとお願いし山へタラの芽を取りに行きました。いつも取りに行く場所があったのですが、残念ながら誰かに取られた後・・。それでもしばらく山を歩きましたが見つからず、悔しいのでタラの芽の木を抜いて畑で育てようと持って帰りました。(地区の林野組合で所有する山で私は組合員なので違法ではありません)
家に帰ると母は笑って地元の野菜を売っている店にタラの芽があるから買って来いとお金を渡してくれました。
なんとかタラの芽の天ぷらにありつけましたが、癌で闘病中の母はこの数日後、血中の酸素濃度が低くなり、見る見るうちに具合が悪くなり5月16日に息を引き取りました。記憶が定かではないですがこのタラの芽の天ぷらが亡き母の最期の料理ではなかったかと思います。
写真には何本もの枝が見えますが、これがその時抜いてきた1本の木で今は枝分かれし沢山の芽をつけてくれます。ちょっとした思い出のある木なので芽は全部取らずに大事に育てていきたいと思います。